小悪魔的な彼と悲観的な彼女


まさかの、そんな1ヶ月が経ったところで発覚した恐ろしい事実。


私はどこに住んでるのかも分からない彼氏と付き合っている。


本気じゃない相手だって事は分かってたけど、そんな事ってあり得るのだろうか。自己紹介で出身地と現在地を言うのは当たり前の事では無いのだろうか。


…いや!当たり前の事だ!


当たり前だし、それに仮にも彼女という肩書きを与えられた私が知りたいと思ったって良い事なはず!教えてもらうのは当然の権利なはず!

よし、今日もし来たら問い詰めてやる!それとついでに何人女がいるのかだって聞いてやる!そしてあわよくば、その何番目に私がいるのかだって聞いてやるっ…、


…き、聞いて…やる…


…うぅ、辛い。

一体私は何番目だって言うんだろう。


「あ、おかえりすみれさん」

「うん、ただいま……へっ⁈ 」


思わず、息を思いっきり吸い込んだまま止めてしまった。そして目を真ん丸くして、一回外に出た。…うん、部屋番号は間違って無い。ここは私の家で間違いない。

あぁ驚いた、びっくりしたよ。ぼんやりしながら帰って来たから部屋間違えちゃったかと思った…いや良かった、良かった本当……って、いやいやいやっ、


「何で君が居るの⁈ 」

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