小悪魔的な彼と悲観的な彼女


「えぇっと、私が居なかったのに今日、部屋で待ってたんだよね」

「うん、そうだね」

「そこにスーツが掛かってるけど今日は仕事帰りに来たの?」

「そうだよ」

「いつも今日の私くらい遅くに来るけど、今日は割と早かったんだね」

「うん。終わった後何も予定が無かったんだよね、それなのにすみれさんが今日は遅かったっていうツイてないパターン」

「…いつもは予定が入ってるんだ?」

「大体ね。ご飯行ったり飲み行ったり、後は接待とか。それで疲れてるとすみれさんのとこに来るかな」

「え、疲れてるとなの?元気な時じゃなくて?」

「うん。疲れてる時、すごくすみれさんに会いたくなるんだ」

「……」


キュン…なんて、勝手にときめいたけど、ときめいてしまったけれど!


「…あ、あれかっ、やっぱり君みたいな若い子からしたら私は姉的な感じなのかなっ、だからなんか気を使わないっていうか、だからもしかしたら落ち着くみたいな…ホームシックとかそういうのなのかもしれないね、ほらまだ2年目だし…」


そう、まだ早い。簡単にときめく恋愛欠乏症の私の胸よ、これはまだ早いぞ。そうだと断定するにはまだ早い…っ、

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