小悪魔的な彼と悲観的な彼女
「姉?何言ってんの?すみれさんは僕の彼女でしょ?」
キュンッ
わっ、ストレートに来た!…って、あれ?ちょっと不機嫌そうな感じなってる…?
「すみれさんと居ると落ち着くけど、姉だとかそういう風には思ってないよ。…あれ?て事はもしかしてすみれさん、僕の事弟だと思ってる?」
「!」
や、やばい。何かのスイッチが入っちゃった気がする…っ、うわっ、捕まった!相変わらず見かけによらない力強さ、向こうに引き寄せられる…っ!
「…ねぇ、どうなの?」
「っ、」
ーーゾクゾク、する。熱い吐息が甘い声と共に耳元から身体を侵食してくる。あぁ…もう!耳元で囁かないで欲しいっ!
「お、思ってないよ、思ってないっ、」
「本当に?」
「本当だよ!君の事は本当に…っ、」
「君?」
「あっ、えっと…」
「君じゃないよね?」
「た、拓也君…っ」
「そうだね、すみれさん」
ニヤリと、至近距離で見る拓也君の満足気な笑顔。