小悪魔的な彼と悲観的な彼女
はぁ…難しい。どうしたら上手くいくんだろう。拓也君の事好きだし、このままが続いていけばいいって思ってるだけなんだけど…なんか伝わってはいないよね。怒ってるんだもんね。
別に信じてないとか、そういう訳じゃないんだけどなぁ。でもだったらどういう意味かって聞かれると…うーん、なんていうか…信じるけど期待はしてないっていうか、そこまで求めてはいないっていうか…
…あ、そうか。求めてない。
信じる信じないじゃなくて、求める求めない、だ。だから信じてないんじゃなくて深くは求めてない、そういう事なんじゃないかな。
もしかしたら、私はそこまで深く求めてないから気にしないでいいんだよ、そう言ってあげれば良かったのかもしれない。知りたいけど、真実じゃなくても良いんだよって。そう言ってもらえる事に意味があるんだよって、そう伝えればきっと分かってもらえるはず。嘘でもなんでも受け止める心構えでいるんだよって、そう言えば分かるはず!
「…すみれさんはコーヒーで良かったよね?」
「あ、うん。ありがとう…あのっ、拓也君!」
「ん?」
「私、決して信じてないって訳じゃないんだよ!」
「…そうですか」