小悪魔的な彼と悲観的な彼女


「拓也君の事信じようって思ったんだ、この間。拓也君の事、結局その…やっぱり、好きになっちゃってた…からさ、」

「…なっちゃってたって」

「いやっ、だっていくら私だって色々考えるっていうか、付き合えれば誰でも良いって訳じゃないし…って、そこは置いといてっ!だからその、決めたんだよ私も!今後の方針を!」

「?、方針?」

「そう!もう好きになっちゃったんだし疑うのはやめようって!受け入れようって!拓也君の言葉を信じようって!」

「……」

「だからね?私、拓也君の事信じてない訳じゃないの。むしろ信じたくて、そのために今状況整理をしてる状況で…」

「…すみれさん…」

「そう。だからね?ただ私は求めて無いだけなの」

「そうだったんだ…って、え?」

「ん?」

「いや、今なんて?」

「え?あぁ、求めて無いって言ったの」

「求めて…無い?」

「そう。だからね?私は多くは求めないし、深くは期待しない事にしたの。だから大丈夫!拓也君の言葉は全部受け止めるから、」

「いや、なんだよそれ」

「だから安心し…って、え?」


……正直、ちゃんと言えてる気満々の上に、伝わってる気満々だった私。

可笑しい、拓也君がまたも険しい表情になっている。…あれ?なんで?

< 39 / 202 >

この作品をシェア

pagetop