小悪魔的な彼と悲観的な彼女


ーーでも、それでも。



“すみれさん、今日は大丈夫?”



あぁ、こうして連絡をくれる彼の存在が、すごく嬉しい。

そんな彼が私を気にかけてくれる唯一の存在のような気持ちになる。


彼はもう、私にとって大切でかけがえのない存在になりかけている。


…浮かれてるよね、私。こんな若い子に、こんなにハマっちゃって。しかもそれが嘘でも信じようだなんて。彼の言葉を受け入れよう、求めない過ぎないで彼からの言葉だけを…だなんて。


これは間違っている。間違ってるって確信した。

こんな思考すら読めないくらいに違う存在、もはや違う生き物のような子の言葉に縋って、支えにして、関係を続けるなんて、そんなの間違ってるに決まってる。決まってるし、それこそ始めから分かってた事。それなのに…それでも。


「…ふふ、まぁいっか」


今だけだし。どうせ捨てられるんだし。

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