小悪魔的な彼と悲観的な彼女
つまりそれは、終わりの時。
いつかは絶対やってくる、この関係の最後の時。
だから私は…だから私も…
「…あ、でもいいんだよ?用があるなら無理しないで。無理して泊まってかなくてもいいからね」
その線を見定めて、ギリギリを超えないように注意して、その時まで備えよう。
私達は本当の意味での彼氏彼女なんかじゃないんだから、それは絶対必要不可欠な事。
「で…どうする?拓也君」
「……」
「…?、拓也君?」
「……今日は随分饒舌だね、すみれさん」
「?、そうかな」
「……お風呂いって来る」
…あれ?
スタスタと、私の横を通り過ぎていく拓也君はーーあぁ、なんかまたやっちゃったみたい。絶対にまた不機嫌様拓也君だ。
「はぁ…なんか最近ダメだなぁ…」