小悪魔的な彼と悲観的な彼女


「え?そんなって、」

「僕はすみれさんの事好きだよ」

「あ、うん。えっと、」

「だからすみれさんの事もっと知りたいと思うんだ」

「それは、私もだよ」

「そうだね、前にそう言ってくれたもんね」

「うん。言った…よね」

「でも今は?今も思ってる?」

「…え?」

「今も僕を、知りたいと思ってくれてる?」

「え、」

「僕の事、気になってくれてる?」

「そ、」

「僕を求めてくれてる?」

「なっ、」

「すみれさんは…僕に興味、ある?」

「…!」


な、何なの…?


何なんだこの人は‼︎


「当たり前じゃん!」


ガタンッと、立ち上がる勢いでテーブルが大きな音をたてた。でも今はそんな事、どうだっていい。

< 57 / 202 >

この作品をシェア

pagetop