小悪魔的な彼と悲観的な彼女
本当に、何だろう。そんな気持ちでいたのなら、そんな事ならもっと早く教えてくれれば良かったのに。
そんな気持ちにさせてしまったと思ったら申し訳ないけど。それなのにこんな事思うなんて、不謹慎かもしれないけれど。
「私…なんか、安心しちゃったよ…」
我ながら、自分にはビックリだ。今感じているこの気持ち。こんなの…拓也君の気持ちと同じくらい、自分の事なのに知らなかった。気づかなかった。
こんなにも私は自分の気持ちを把握していなかったなんて。
「拓也君の気持ち聞けて…安心しちゃった」
ーーその気持ちから、分かる事。
つまりは、私は不安だったのだ。
あの日から今日まで、ずっと不安だったのだ。
不安だったからずっと言い聞かせるように繰り返し確認してきたのだ、自分の身の置き方を。それこそ、本当にしつこいくらいに。何度も、何度も、今日までずっと。
「僕の気持ちって…興味あるかって事?」
「…も含めてっていうか…なんか、好かれてるんだなって、そう思えて」