小悪魔的な彼と悲観的な彼女
向こうはいいよ、私をポイってすればいいだけの事だから。男なんて年取れば取るほど価値が上がってくようなもんだし、結婚適齢期だってまだまだ先だし。
でも私は違う!もう適齢期だって通り越しちゃう、いや通り越してる気もしなくもない気がする!
今はギリ20代だよ?でもさ、30過ぎていってごらん?一気にくるっていうじゃないですか。今だってヤバいけど、ほらホルモンとかそういうのにはやっぱ逆らえないっていうか、それであぁ、やっぱ無理…って、やっぱおば…この先は死んでも言いたくないけどさ、そう思われる時が必ず来る訳じゃん。
その頃には向こうは30前のいい感じの年になってて、可愛い新入社員の女の子とも出会ってさ、下手したら私、その子達と10歳違うかもしれないからね。10歳も若いとか何?同じ土俵にも立たせて貰えないっての。こんなの若さの暴力だ!不条理だ!理不尽だ!
…うん。だからもう、どうせ捨てられるんだからこの関係に意味なんて無いし、すでにこの時間自体が勿体無い訳だ。分かってる、大いに分かってる。痛いくらいそんな事を分かってるし現実見えてる……はずなのに。
…それなのに!
私…なんでっ、なんでまだこんな事続けてるんだ…!
「…すみれ…さん?」
「!」