小悪魔的な彼と悲観的な彼女
あの時と少し形を変えているにしても、それは結局あの時の私の想いを、願いを表した言葉に違いなくて、そしてそれは今の私にとってーー
あり得ないって、言ってやりたい。そんな想いは確かにある。確かにあるのにその一方で…否定は出来ないかもしれない、なんて…
ーーあぁ、それはもうすでに、あの時の私以上に否定など出来る訳のない言葉に、変わっていて。
「…拓也君はさ、必要とか…し、死んじゃうとか、そんな風に私が思ってたらさ、嫌じゃないの?」
「…嫌?」
何の話だとでも言うように、拓也君はキョトンと首を傾げてくる…いや、もうなんかそう来るんじゃないかなって思ってた私も居るんだけど。
「…迷惑、じゃないの?」
「なんで?」
「困ったり…しないの?」
「困る?僕が?」
なんて、全てを疑問系で返される。それはつまり私の言っている意味が全て分からないと、そういう事。
…と、それら全てを否定している、そういう事でもある。