小悪魔的な彼と悲観的な彼女
…今日はもう来ない。こんなに遅くまで連絡が無いっていうのは、もうそういう事だ。
拓也君は来る時に必ず連絡をくれる。会社を出る頃くらいに送ってくれて、私がそれに返信をする、そういうルールがお互い定着している。
それはだって、私が頼んだから。 ちゃんと連絡してって、私が頼んだからだ。
それが…あぁもう、こんな事になるなんて。そんなルールを作っちゃったせいで、私はずっと連絡を待ち続けなければならなくなった。そして来ないと確定する度に、ガッカリと落ち込むはめになった。
もしかしたら今日は来るかも…なんて、そんな希望すら抱け無くなった。
……なんて、そんな風にいじけるのはさ、自分から言い出しておいて…我が儘、だよね。
我が儘、なんだけど…
でも……さ、
「…待ってる事くらい、分かってくれても良いじゃん」
あれだけ好きだ好きだ言っといてさ、いくら遊びと言えど…ちょっと手を抜き過ぎだと思う。…うん。ちょっと酷いと思う。