小悪魔的な彼と悲観的な彼女


だってこれで私が行動に出たら?困るのは自分じゃん。家だって知ってるし、むしろ同じ所に住んでる訳だし、もし女の子が家に居る時私が直接ピンポンしに来たら?貰った鍵で勝手に開けたら?もうこんなの言い訳のしようもない事態勃発だよ。

それでも良い訳?

良い訳⁈



……良くない。


いやさすがに私だって、いくらなんでもそんな事態は良くないし避けたい。


「…はぁ…せめて少し会えなくなるって、言ってくれれば良いのに」


理由なんて何でも良いから。むしろそう言ってくれるなら理由が無くたって良いから。

そしたらまた会えるんだって、そう前向きになれるのに。

もう終わりだなんて…考えなくて済むのに。


…終わり……終わりかぁ。


「そんなの…嫌だなぁ」


覚悟は決めてたはずなのに。その時まで…って。その時は受け入れよう…って。それなのに、いざそれを目の前にしたらやっぱり…やっぱり…


あぁ、ダメ。まだダメだ。

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