小悪魔的な彼と悲観的な彼女
だってやっと本当に、全ての想いを表に出した。…こんなに好きに、なっちゃったのに。そんなの自覚したくなかったのに。今までずっと知らないフリ出来たのに。だからずっと、諦めだってつけられてたのにーー
「無理だよ、こんなの…急過ぎる」
…せめて一度、あと一度でいいから。
それでなんとか、区切りをつけてみせるから。
だから連絡…してみようかな…
「……」
“求め過ぎてはいけない”
始めに掲げた私のルールが頭をよぎるのは、自分から会いたいだなんて、君の時間を下さいなんて言う事がそのルールに反しているから。
だから私は今までずっと、自分から連絡する事は無かったし、彼に理由を問い質したり、彼の本音を知ろうと強く出る事も無かった。でも…そのルールが適応されるのは、長続きさせたい時の話で、終わりの見えた今はもう違う。
…もう違う。そうだ、私の想いだって…だって、蓋を開けたのは君だ。君が開けたんだ。ずっと閉じてたのに、終わりたくないから、うまく終わりたいから、だから開けないようにしてたのに、それなのにそれを溢れさせたのはーー君だ。
君がいけない、君がいけない。
君を求めてやまない私にしてしまった、君がいけないんだ。