小悪魔的な彼と悲観的な彼女
なんだ?何なんだ?と、それこそ必死に脳内整理の真っ只中。
“これって今から行っても良いって事?”
久しぶりの彼の声と共に、その問いかけは耳に飛び込んできた。
やけに楽しそうな声色なのは…一体どういう事だろう。
『ねぇ、聞いてる?』
「あ、う、うん。えっと…来てくれるなら、それでも全然…」
『じゃあダメならそれでも良いんだ?』
「…そ、そりゃあもうこんな遅い時間だし…仕方ないから…」
『ふぅん。じゃあダメかな』
「えっ、あ…そうなんだ…」
『で?後は?』
「え?」
『後言いたい事は?無いの?』
「あっ、後は…」
『無いなら切るけど、良い?』
「…え?」
切る?切るって…電話を?
…もう、終わりなの?
もう、こんな、こんなにすぐ…
終わりなの?
「ま、待って!」