小悪魔的な彼と悲観的な彼女
「……」
でも…もう、何も言わない。
これが拓也君から見た私達の関係性なんだ。
「?、すみれさん?」
「……」
拓也君から見たら私なんてその程度。わざと連絡寄越さないでそれで動揺する私を見るのが楽しい、だから今日もそんな私を見に会いに来た。ただ、それだけの事。
それなのに…そんな大した価値も無い、単なる暇つぶしみたいな関係なのに…それが私にとっては、大きな意味を持っていて…私にとっては…終わりに、したく無い関係で…
あぁ、どうしよう。辛い。
こんな馬鹿な私が辛い。自業自得なのに、仕方がない事なのに、それなのに…
今私は勝手に傷ついて、勝手に涙を流している。
「!、すみれさ、ん」
「…っ……」
「……」
なんだろう、どうしてだろう。なんで私はいつも上手く出来ないんだろう、なんて、もういろんな思いが疑問と共に湧き上がって来る。溢れてくる。
するとその時ーー頬にそっと、温かな感覚がした。