小悪魔的な彼と悲観的な彼女
どうしよう、失敗した、恥ずかしい、困った、ガッカリ、なんとかしなきゃ…なんて、頭の中がグルグルグルグルしながら、口がペラペラペラペラ。
あれ?もしかしていらない事まで言ってる?なんて事に気付いたような気がした…ちょうど、そんな時。
「すみれさん!」
「は、はいっ!」
ピシッと、大きな声で呼ばれた名前に、思考も姿勢も正された。
そしたらその間一瞬思考が止まって、その後一瞬にして今までのやり取りを思い返して… ハッ!っと、自分の犯した過ちに気がつく…いや、気がついてしまった。
「…ご、ごめん。好きとか食べるとかの話じゃないよね、いい歳してこんなの作ってんなよっていうのが問題な訳で…」
「違うよ、もっと違う。…もうなんか、どこまでもマイナス思考だね、すみれさんは…」
「…ごめん」
うぅっ、やれやれみたいな顔されても…
なんかまた失敗しちゃったらしい。何がかはよく分かんないんだけど…とりあえず。
「じゃ、じゃあこれは一応私が…」
「ダメ。これは僕の」
「へ?あ、え?」