小悪魔的な彼と悲観的な彼女

そうだよなぁ、物凄く嫌いで食べたら吐いちゃうってくらい嫌いならなんとしてでも断るけど、少しくらいなら普通の顔して食べられるもんなぁ。

せっかく出してくれたけどハンバーグについてくる甘い人参好きじゃないから一気に先食べちゃおう、みたいな…その程度でも嫌いは嫌いだから頻繁に出てくるとちょっと…ってなるし…


「…どうしよう。どこまでがお世辞だったか分からない！」

「だねぇ」

「また作ってねって言ってたけど本当は本心じゃなかったのかも…」

「好きな物聞いておけば良かったよね、そしたら次はそれ作ってあげられたのに、」

「そんなとこ強調するなんてやっぱりいい歳して作ってんなよって思ってたんだ…！」

「あぁ、すみれ的にはそうなるんだ…まぁでも向こうはそこまで思ってないと思うけど」

「でも一応褒めとこう、みたいな。きっとこう言われたいだろう、みたいな。機嫌損ねないようにしとこう、こないだみたいな事になるから…みたいな！」

「…こないだ？」

「そう。この間ね、ちょっと意地悪…というかなんか仕返しされて私泣いちゃってね、そしたらなんか珍しくすっごい驚いてたからさ」