小悪魔的な彼と悲観的な彼女
今なんて?と、声に出さずに思わず見つめ返して…そしたら琴乃が言ったのは、
「怒ったり泣いたりする女程ウザいものは無い」
…まず、そんな鋭い一言。そして、
「それなのに余計に優しくなったり距離を縮めてくるなんて、そんなの相手が好きな女だから以外にあり得ないよ」
なんて、彼女が辿り着いた答え、新たな評価をハッキリと私に向かって述べる。
その彼女が下した前向きな結論に、彼を褒められた嬉しさやら自分が好かれてるって確信に変わった感動やらで思わず歓喜しそうになった私ーーに、すかさず一言、
「それか、そういうのを好むタイプの変態か」
グッサリ釘を刺すのも忘れない、それが本当に琴乃らしいとガッカリしながら思いました。