小悪魔的な彼と悲観的な彼女
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「……」
「…えっと、拓也君?」
「……」
…参ったなぁ。
目の前には唖然とした様子でこっちを見る拓也君が居て、私は…その…ははっ、笑ってごまかそうとした所で時すでに遅しってやつだ。
今回、悪いのは私。完全に私。
“拓也君は変態なの?”
そんな言葉のチョイスしか出来なかった私が悪いのだ。
「あ、あはは…」
「……」
ほらやっぱり。笑ってみても何かしらの進展も効果も見られない、やっぱりもう手遅れである。
さて、どうしたものか…
ただ私は気になったから聞いてみた、それだけなんだけど…まぁでも本当は変態なのかもしれない、なんて気持ちが無きにしも非ずだった…いやっ、だ、だってさ、だって琴乃が…さ、ねぇ?
そういうのを好む人なのかもしれないって思わせるから、だからいけない。そう、いけない!
情緒不安定な女は最悪だと、これだから更年期近い女は…って、私まだ20代だけどね?だけどそうやって影で言われた事があって…うん。多分私がまだ20代だなんて思って無かったんだと思うんだけど、だって私老けて見えるタイプだから、完全30代半ばとか言われたりして…
って、そんな事は良いんだけど!どうでもいいんだけど!だからつまりあれだ、最後の琴乃の言葉はやけに身に沁みたっていうか、やけに耳に残ったっていうか、つ、ま、り!