小悪魔的な彼と悲観的な彼女
「むしろ相手がすみれさんなら、そんな所も僕は好きで…あぁ、もしかしたら案外間違ってないのかもしれない」
「え?」
「さっきの話、僕が変態ってやつ」
「あっ、い、いやそれはもう言葉の綾で…」
「うん、なんか否定は出来ないかも。僕は変態かもしれない」
「……はい?」
な、ななな、何だ?
何を言い出すんだ、この人は!
「口、パクパクしてるよ?」
「!」
慌てて隠した口だけど確かに、確かにパクパクしてた…って、
「な、なんでそんなにご機嫌なの!」
「?、ご機嫌?僕の事?」
「そうだよ!さっきはその、へ、変態かって聞いただけで不機嫌になっちゃったのに、なんかやけにニコニコしてるし…」
「うん。正直変態だなんて、なんて心外なんだと思ったんだけど…」
チラリと見られて、サッと視線を逸らす。はい、その通りです。心外だと思われて当然です。
「でもなんか、改めて考えてみると当てはまっちゃう自分がいたっていうか…だってさ、すみれさん」
「…はい」
「僕はさ、すみれさんのなら何でも愛おしく感じるんだよ。どんなすみれさんも全部を愛おしいと思うんだ」
「…え?」