眠り姫はキスとともに。
prologue
そう、あれは4歳の時。
私は眠り姫を読んだ。当時、友達が1人も居なかった私は本が友達という、『キャプテン○』のような少女だった。
そんな私のために、兄はいつも本を読んでくれた。
私とは違い、顔の綺麗な兄。
一目みると兄妹かと疑ってしまうようなほど似ていない顔。
勿論、実の親にさえ。
私の居場所は本の中だと思っていた。
だが、兄は私に突然、
『お前はお姫様にはなれないよ。只でえ、こんななのだから』
と、冷たいことを言った。
まさかの兄からの攻撃。
私は防御すらできなかった。