推定借金5000万円!?~潜入先はホストクラブ
営業の終了した店内の片隅。
聞こえてくる悠哉の声。
「凪は全然平気か??」
「何が……」
タバコを乱暴に消すと、疲れた瞳を濁らせる。
「雪乃ちゃんの……ってそうだよな。お前には大切な人が……」
「いねーよ」
悠哉の言葉を遮るように、被せられた声。
「アイツとは……誕生日の前日に別れた」
思い出したくない傷なのか、一瞬苦しそうに顔を歪める凪とは対照的に、悠哉は得心のいった顔で頷いた。