201号室の、オオカミくん☆

あんな風にさらりと自分の意見を言えるのって大事だと思うし別に気にはしない。


「結愛って可愛いじゃん。『結ぶ愛』って書くんだし。俺なんか一番強くて権力がある『皇帝』の皇だからな」


「でもぴったりじゃん」


「俺はまぁまぁな。でも姉ちゃんがみかどだからなー。平仮名が救いだけど」


姉弟で『皇帝』か。皇汰の父親のネーミングセンスは真似はしたくないけど、色々考えてるのかな。



「親に振り回されるのは名前だけでいいけどな」


そう静かに言った皇汰の横顔は、少し沈んで揺れていた。


お互い脛に傷を持つ同士。



ついでに惹かれあえばいいのにな。


「ねー。若社長」


若社長に聞いても、籠の中で静かに目を閉じるだけだった。
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