201号室の、オオカミくん☆
バタバタバタ
――最悪だ。
全力で走るが、お昼休み始まって5分経過していた。
国語のおじいちゃん先生はチャイムが聞こえないのか無視するからいつも遅くなるんだ。
家庭科室に着いた時には人が廊下まで溢れ出ていて、とてもじゃないがたこ焼きパンを拝めるとは思えない。
あんパンとかチーズパンとかが残ってたらラッキーだ。
仕方なく、人混みに侵入しようと手をくるくると動かしながら体を温めていた。
「ほら」
目の前にたこ焼きパンが出てきた。
「これも」
クリームパンも差し出してきた。
「……皇汰?」
「国語の時は、いつも授業遅れるからさ、買っといてやった」
受け取らない私に、ぶっきらぼうにパンを投げつけてきた。