201号室の、オオカミくん☆
「ぎゃー!」
「あは。女の子みたいな反応」
ケタケタと楽しそうに笑うと、無造作に伸びきった髪を掻き上げた。
「女の子だってーの! いいから服を着ろ!」
上半身裸のまま、ガサゴソとカバンを漁る猫野郎を怒鳴ると、猫野郎はサッカーボールのような大きなオニギリを取り出した。
「何それ」
「この猫がお腹空かせてるようだったから」
少しだけラップを剥がして、ノートを一枚破るとその上に乗せた。
そしてまるで借りてきた猫のように大人しい若社長に、はいっと渡す。
若社長、なんで猫野郎の足に纏わりついてるんだ。
「昼寝中の俺のお腹に乗ってきたんだ。絵の具の上を歩いてきたらしく、見てよ、俺のシャツ」
猫の足跡だらけのシャツを見せられる。
空色の足跡がペタペタと可愛い。