201号室の、オオカミくん☆


「若社長、駄目じゃんか。こんな足跡」

「あれ。桐原さんの猫なの?」

ゲラゲラ笑う私に、目を丸めた。



「ううん。そういや誰の猫なんだろ」


皇汰……だとは思ってなかったけど。

てかこいつ、いつも渡り廊下の私を見てるとか言いながら、若社長とお昼寝してたのか。


私、渡り廊下からパンを振って恥ずかしかったのに。



「美味しいかにゃ~?」

若社長の背中を撫でながら、猫野郎が猫口調で話してる。
青空の下、白い肌のこの人は、お日様のように笑っている。


若社長もゴロゴロと喉を鳴らして懐いてる。



「お日様の下では初めましてだね。桐原さん」

『さん』の語尾が甘く揺れてる。




「そうだね。とりあえず服、着てくれないかな」


青空の下、雲に溶け込むような白い肌は心臓に悪い。
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