201号室の、オオカミくん☆
「葵も私の事、桐原さんじゃなくて結愛で良いよ」
「結愛…結愛……駄目だ。変な感じ」
ブツブツ言いながらも照れたようにオニギリを頬張る。
なんだか私が知っているどんな男の子より無邪気というか無垢というか、変わってる。
「何だかまた眠くなってきた。桐原さ…結愛も寝よう」
半分も食べてないオニギリにラップを巻き直すと、またドアを開けてカバンに仕舞う。
葵はあの踊り場を荷物置きにして、まるで屋上を自分の部屋のように使っている。
「ほら、寝るよ」
バサッ
葵が持ってきたのは、真っ白のタオルケットだった。
屋上の真ん中に広げて、コロンと丸まった。
若社長と私と葵。
三人で寝転ぶのにはちょっと狭くて。
みんな猫のように体を丸めた。