201号室の、オオカミくん☆
もくもくの原因を葵は聞かなかった。
私もそれに今は黙って甘える。
――居心地が良いんだ。
シャラン……
屋上の隅に転がしてた鈴が風で揺れた。
時間は止まって感じるのに、風だけは吹く。
お日様の匂いと空の雲を眺めて。
私もゆっくり目を閉じた。
踊り場にあった、布を被った大きな絵と、中途半端に削られた彫刻。
それと葵の白い肌。
この不思議な空気に包まれて私もゆっくりと夢の中へ。