201号室の、オオカミくん☆
シャンシャンと鳴り響く鈴の音。
季節外れのサンタさんが来たのだと、私の心は喜んでいた。
私がサンタにお願いするのはいつも一緒。
――お母さんの病気が早く……。
「おーい、桐原さーん。桐原さーん」
揺さぶられ、私の夢の中からサンタが遠ざかっていく。
遠く遠くへ。
行かないで。
手を伸ばして掴んだのは、ひんやりした腕だった。
「桐原さん、皇汰くんが探してるよ」
「!?」
その言葉に飛び起きると、オレンジ色の空に溶け込む葵の姿があった。
「腕、痛いよー」
あははと笑う葵の後ろ。
空が……オレンジ色。
「ねぇ、今何時?」
葵の白い腕を握りながら呆然としてしまう。
「今は、六時過ぎだよ」
季節外れのサンタさんが来たのだと、私の心は喜んでいた。
私がサンタにお願いするのはいつも一緒。
――お母さんの病気が早く……。
「おーい、桐原さーん。桐原さーん」
揺さぶられ、私の夢の中からサンタが遠ざかっていく。
遠く遠くへ。
行かないで。
手を伸ばして掴んだのは、ひんやりした腕だった。
「桐原さん、皇汰くんが探してるよ」
「!?」
その言葉に飛び起きると、オレンジ色の空に溶け込む葵の姿があった。
「腕、痛いよー」
あははと笑う葵の後ろ。
空が……オレンジ色。
「ねぇ、今何時?」
葵の白い腕を握りながら呆然としてしまう。
「今は、六時過ぎだよ」