201号室の、オオカミくん☆
「授業は!?」
「俺、何回も起こしたのに、桐原さん気持ち良さそうに眠ってたからさー」
「……サボってしまったのか」
恐る恐る携帯を取り出すと、電池が一個減るぐらい着信の嵐だった。
クラスの子や光、それに皇汰。
特に授業が終わった放課後からはほぼ皇汰だ。
「でも寝顔、可愛かった」
「はは。そりゃあ良かった」
「桐原さんはお母さんが好きなんだなって和んだよ」
「なんか寝言言ってたの!?」
ポンポンと頭を撫でると、転がっていた鈴を片付けてカバンを持って出てきた。
遠くで皇汰の声がする。
もしかしたら探してくれているのかもしれない。
「俺、もう少し居るから、気を付けて帰りなよ」
「え? 一緒に降りようよ」
「あまり、人に見られたくないから此処に居るんだ。ごめんね」