201号室の、オオカミくん☆
「葵、居るー?」
梯子を登り、顔だけを出して屋上を見渡しても見当たらない。
まだ来てないのかな?
という事は、あの葉瀬川さんって方と鉢合わせしちゃわないかな?
匿ってるとか探してるって言ってたから、葵は家に帰ってないのかな?
探しに降りようと歩いていると、
「おっ苺柄」
「!?」
お尻に当たるのは――……。
『葵!』
「どうしたのー? 小声で」
「良いから! 早く上がって」
中に短パンを仕込んでいるから、苺柄だと分かるはずないのに、何を言うかとスルーしつつ、葵を二階へ引っ張り上げた。
「身を低くしてっ」
「何の遊び?」
「良いからっ 葵に質問があるの」
「髪結びながらでも良い?」
葵は呑気に、ボサボサに伸びた髪を後ろに引き寄せる。ゴムを口に咥えた姿はちょっと格好いい。