201号室の、オオカミくん☆


「葉瀬川さん、どこにいるの?」

「リンダに挨拶するって言ってたけどー……、くそっ電話に出ない」


階段を降りながら二階の職員室を足早に通りすぎ、なんとか見つからないように移動する。


「リンダ、職員室じゃなくて美術室に向かったくさい。呼び出し放送も無いし、向こうに行こう」


美術室って、屋上に一番近いあの場所じゃん。

何で葉瀬川さんはリンダに挨拶するの?
大体、葉瀬川さんって皇汰と何繋がりなの?


「あのさ、葉瀬川さんって分家の人なの?」

走りながら尋ねると、皇汰は少し考えながら頷く。


「孔礼寺の分家の人みたいだな。本人はあまり気にしてねーし。ごたごたも俺は知らない」


「今日、皇汰をバイクで送ってくれた人は?」


「あー……、あいつが本家になるのか」
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