201号室の、オオカミくん☆

屋上へと続く階段には、古びた椅子や机がびっしりで登れる雰囲気は少しもない。

私も小さな体を活かして中に入れないか試したが無理だった。


そのバリケードを、何故か葉瀬川さんとやらは、壊していっている。

ポイポイと踊り場に机や椅子やらを落としていく。


そこを壊されたら、……侵入されたら。




「それはルール違反だろー!」

「えー?」


のんびりした声は、振り返るより早く聞こえてきたけれど、私の飛び蹴りで、身体と共にぶっ飛ばされていく。


イケメンなおじさんを蹴ってしまった。


葵に注意されなければ、私のパンツを見るのはこのオジサンだったってことか。



「痛いなー。何これ?」

頭から床に突っ伏し、お尻を付きだした形の葉瀬川さんが弱々しい声で困惑した声を上げる。
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