201号室の、オオカミくん☆
色々と話が飛び交う中、皇汰が思い出したかのように「あ」と声を漏らす。
「結愛、葉瀬川さんは103号室を書庫に使ってるオジサン」
「え!?」
「葉瀬川さん、結愛は101号室に入居する事になったから」
「――君が千景女史の……なるほど」
ヤバイ。
ヤバイ。
私、ご近所さんを蹴り飛ばしてしまったようです。
「あはっあはは」
乾いた笑いしか浮かばない私の頭の上、つまりは屋上で。カタカタと小さな音がした。
気付かれないで……。
「あれ。葉瀬川さん、困りますよ。何してるんですか」
廊下を大きなお腹を揺らしながら現れたのは、リンダ。
リンダ先生が真っ青な顔であわあわし出したので、私たちは葉瀬川さんが壊したバリケードを元の形へと修復作業を手伝った。