201号室の、オオカミくん☆
寄り道11、器用貧乏の舞と油絵。
「屋上はいつも先生の目が届く場所じゃないし、うちは開けないようにしてます。生徒の前で刺激しないで下さい」
そう言ってこちらを見た。
「悪い生徒の刺激になると言いたいのか!」
「結愛、一応悪い生徒って自覚あるんだな」
ケタケタ笑う皇汰が憎らしい。
でも、此処は美術室。美術室の上には皆が探す葵がいる。
葵が鈴を鳴らしたらバレてしまう緊張感の抜けない場所。
「取り合えずさ、葉瀬川さんに談話室とかでお茶でも出したら?」
「君たちは早く授業に戻りなさい」
そうだった。まだ何も話は解決してない。
「あの、葵に何の用事なの?」
私の質問に葉瀬川さんと何故かリンダまで目を見開いた。
「葵は舞うって約束して学校生活は自由にしてるはずなんでしょ? 何で探すの?」