201号室の、オオカミくん☆


表情が変わらないような穏やかな人だけど、一歩引いて私たちをちゃんと見てくれてるような優しい人だ。

私が短パンを履き忘れたのは、この人を蹴るなという神の御告げだったんだ。(蹴ったけど)


「じゃあ、まぁ解決って事だよな? どーする? 授業」


頬杖付いていた皇汰がスマホで時間を見る。

あと15分ぐらいしか授業はない。


「もう良いんじゃない? 一回や二回サボったって」

「担任の前で何を言うか。戻りなさい」


リンダがピキピキと頬を引きつらせるので、仕方なく美術室を出て教室に向かった。


廊下を歩きながら、何だか皇汰の口は重い。


「結愛に秘密にされるなんてちょっとびっくりした」

「秘密じゃないよ」

「孔礼寺の事なら、俺だって無関係じゃないのにさ」
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