201号室の、オオカミくん☆
一年の学年主任のゴリラみたいな先生。
私は、あの鼻の下が伸びて汗が溜まってるのと、人を見下す喋り方が嫌いだった。
「楠木の態度の悪さは兎も角、桐原。お前は成績も悪いのに偉そうにサボりか?」
やっぱり私だ。皇汰には口では勝てないし。
ターゲットを私に絞りやがったな。
「直ぐに戻りますので」
会話もしたくなかったから、目も合わせずにそのまま通り過ぎようとしたけど、今度は皇汰が立ち止まった。
「俺には注意しないんですか?」
やけに挑発的な発言。振り返ると、皇汰の顔は腹黒い笑顔が貼り付いていた。
「何で桐原だけに? 俺に言い負かされるの怖いんスか? 弱い奴にしか威張れないタイプ?」
「皇汰! 本当の事言ったら駄目じゃんか」
私が慌てて口を押さえても、時既に遅し。
学年主任の顔は茹でタコみたいになっていた。