201号室の、オオカミくん☆
談話室から空を見上げると、美術室の上の屋上が見えた。丁度、太陽を遮り談話室を影で覆い尽くしている。
「ちょっとだけ先生、不安でな」
「不安?」
「先生の夢を押し付けてやいないかと」
何故か大きなお腹を撫でながら、先生は寂しげに笑う。
私は何だか無性に葵に会いたくなった。
会って、葵の髪をぐしゃぐしゃに掻き混ぜていつも以上にボサボサにしてやりたくなった。
「大丈夫だと思いますよ」
不安げな先生にニヤリと笑い、私は両手を広げて頭の上で輪を作った。
「こーんなデッカイおにぎり、葵は頑張っていつも完食してますよ。あれ、先生作ですよね?」
あんな量、食べれて作れるのは先生ぐらいだろうから、そう言ってみたら、リンダはやっと安心したように笑ってくれた。