201号室の、オオカミくん☆
「やっぱ、桐原さん好きだなー」
や!?
やっぱって私は今初めて聞いたよ。
どう返すべきなのか分からずに、その瞳に吸い込まれるように見つめ合っていた。
するりと、葵の顔が近づいてきて、きらきら光る目が私を映し出す。
綺麗な薄茶色の、猫みたいな瞳。
いつも屋上に居るのに透き通るような肌。
格好いいけど、ちょっと中性的な色気が漂う。
って。
「顔が近い!」
慌てて顎を押しやり、後ろへ下がったけど。
びっくりした。金縛りに会ったかと思った。
「残念。もう少しだったのに」
「……話をそらすな」
さっきリンダに言われた台詞まんまを葵に言いながら、またオニギリにかぶりついた。
「舞をしたくないならしなくて良いんだって言ってたよ。どうするの?」