201号室の、オオカミくん☆
「三色ウグイスパン……渋い」
「我が儘言うな! それしか無かったんだよ!」
でこぴんされた額を擦りながら、皇汰を見上げる。
「ん?」と何でもないようなスマートな素振りに、泣きそうになった。
「ありがとう。皇汰はガキじゃないや。良い奴だ」
「そうだ。そうだ。訂正しろ」
その場で開けて食べるパンは美味しい。
人気のないパンしか無かったって事は、私のためにまだパンはあるか見に行ってくれたんだ。
どうしよう。私、たこ焼きパンより美味しく感じる。
たこ焼きパンより好きになりそうだ。
「落ち込んでるとこ、悪いんだけど」
「もぐ?」
「今日、夜空いてる?」