201号室の、オオカミくん☆


「盗難よ。盗難」

いそいそと帰る準備していたら、光が怖い顔で私の前に立ちはだかった。


「バレー部の部室から体操服が盗まれたらしいよ」


「うわっキモ」


「あんた見回りしなさいよ。顔見たんでしょ?」


四月の始めに更衣室を覗いてたオッサンは後ろから蹴り飛ばしただけ。
すぐに逃げられて、その後学年主任たちがセキュリティ強化云々言って終わったような。


「私だってか弱いから怖いよ」

「あんたよりか弱い全校女子生徒も怖いわよ」


何を言いやがるかと睨み合うも皇汰が来たので、パッと離れた。



「どうした?」

「覗きの次は盗難だって」

「バレー部の試合用のユニフォームって」

光のため息に皇汰も「きもっ」と眉を潜めた。
< 169 / 428 >

この作品をシェア

pagetop