201号室の、オオカミくん☆
ホームセンターでおつまみとジュースを買いながら、まだ少し気分は晴れない。
せっかくの皇汰がくれたウグイスパンも、
せっかくの今から私の歓迎会も、
――大好きな人との寄り道も、
葵のあの発言が頭を支配していく。
『ちゅーっしちゃった』
しちゃった、じゃない!
まるで当然の成り行きのような発言。
「するめ……」
「あ?」
「するめ山盛り!」
皇汰が推すカートに棚の上にあった並べる前の箱に入ってるスルメを入れる。
「飲まなきゃやってらんない」
「飲むって」
「牛乳よ!」
私の発言に皇汰がコントのように転けたけど気にしなかった。
スルメやお菓子、ジュースや牛乳を大量に買ってホームセンターを出ると、空はオレンジ色に染まりつつあった。