201号室の、オオカミくん☆
「皇汰は何で髪を染めたって言ってた?」
「えっと……失恋だとか」
屈んで足にまでペディキュアをされ始めたら、傅かれたお姫さまみたいだ。
そんなナイトみたいな二人は私の言葉に顔を見合わせて苦笑いを浮かべる。
「半分辺り? 再婚と離婚と失恋と、皇汰には忙しい数ヵ月だったからね」
「ねー。父親の離婚はどうでもいいみたいだけど、母親の再婚は猛反対。荒れてたよねー」
皇汰が父親を嫌ってたのは知ってるけど、じゃあ何で母親と暮らさないのかとか確かに疑問だもんね。
というか。
「それ、あんまペラペラ喋ったら駄目なんじゃ……」
踏み込んで欲しくないような内容な気がする。
「もちろん。結愛ちゃんにしか言わないよ」
「花忘荘まで乗り込んでくる勇気と愛を讃えて、ね」