201号室の、オオカミくん☆
悔しいけどお似合いだと思ったんだもん。
本当に皇汰の一方的な片想いだったのかな?
「こんな集まりがあると、二人はいつも隣同士でイチャイチャしていたよねー」
ドアに凭れながらノックしているのはスーツ姿の葉瀬川さんだった。
「今帰宅したけど、私は何をしようかなー」
「「葉瀬川さんは早く着替えてヨーヨー釣りの準備!」」
「はいはい。あー桐原さん」
いきなり渋くて甘い声に呼ばれて、数センチは浮き上がってしまった。
「何か?」
「あの後、葵には会ったの? ――屋上で」
「!?」
「君と林田くんが屋上を隠したがってたのはバレバレだったよー」
呑気で気だるげな癖にやはり葉瀬川さんは鋭い。