201号室の、オオカミくん☆


「夏の終わりと秋の豊作を祈るお祭りなんだ」


目隠しヨーヨー釣りをしたり、長机でテーブルクロス引き芸をしたり。

皆が芸やはしゃぎ回るのを葉瀬川さんが眺めながらポツリと言う。


「『千秋祭り』って言ってね。秋を待ち夏神に感謝して安心して交代して貰うために毎年巫女さんが舞うんだ」

「へー。ただ出店が並ぶだけじゃないんだねー。あそこで食べる焼きそば好きですよ」


「あはは。そうそう。その程度で大丈夫だよー。楽しめさえすればね。分家が負け犬根性が根強いだけ。分家から巫女が選出できなくて勝手にあたふたしてるだけさ」


「だよねー。普通舞を奉納するのは巫女だもんね。葵がするの珍しいね」


おばあちゃんと見たことがある舞は全部女の子だった。
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