201号室の、オオカミくん☆
「……何で分かったの?」
保健室までの道が長く感じる。
何人もすれ違い様に私と皇汰を振り返る。
恥ずかしいけど、ちょっと皇汰が怖くて下ろしてとは頼めない。
「女子更衣室から声がしたから、慌て駆けつけたんだよ」
男子更衣室は無いから女子更衣室と体育館を挟んで向こうのバスケ部の部室で着替えてるんだ。
あそこから駆けつけてくれたんだ。
保健室へ行くと丁度、先生がバタバタと駆け出していた。
先生は私と皇汰を見るとちょっとだけ慌てていた。
「女の子が更衣室で倒れたみたいなの」
「大丈夫です。こいつと保健室で待ってます」
「ごめんなさいね」
おっとりしたおばちゃん保険医は話もそこそこに走っていった。