201号室の、オオカミくん☆
「捻挫か……不覚」
「俺、犯人は探すなって言ったんだけど?」
しゃがんだ皇汰が私を強く睨み付ける。
でもおっしゃる通り。確かにそう言われたのは間違いないです。
「つい本能的に」
「縛って閉じ込めるぞ」
「いっ!」
「ああ、悪い」
ぺしっと軽く足を叩かれただけでも骨に響く痛みだ。
「桐原さん大丈夫ー?」
コンコンと無意味なノックと同時に、岸六田先生が入ってきた。
「犯人を蹴飛ばしたんだってさ」
「そうらしいわね。落ち着いてるなら犯人の特徴とか聞くよう頼まれたの。怪我は?」
「大丈夫です。あの……」
ドアを閉めた岸六田先生が私の方を向いて、「ん?」と首をかしげる。
「あ、いや、ケーキありがとうございました。美味しかったです」