201号室の、オオカミくん☆
皇汰だって、私と先生への態度違いすぎる!
好きな人にだけ優しいとか最低。
や、私に優しくないわけじゃないけど扱いが。
「でもこんなセキュリティのしっかりした進学校で立て続けに覗き……ねぇ」
「先生たち結局何も対策せずに外部に漏れないように隠蔽したのかもな」
「隠蔽? うちらが被害にあってるのに?」
皇汰は少し難しい顔をして向かいのソファに座る。
「――隠蔽したい相手かもしくは……」
コンコン
遮るようにノックされて、小さな声で『失礼します』と入ってきたのはさっきの覗きの被害者の子だ。
お金持ちと成績優秀者で分けられるとしたら、彼女は成績優秀組。
「大丈夫?影山さん」
岸六田先生が駆け寄ると、保険医は廊下から入ろうとしない。
「私、私の話を先生たちが誰も聞こうとしなくて」