201号室の、オオカミくん☆

「え?」

だから保険医を廊下で待たせて、私たちに?

「目が合った人、その、鼻の下が長くて……」


そりゃあ覗きしてるんだから鼻の下は伸ばすよね。


「なんかちょっと……学年主任に似てた……気が……したの」


「「「ええ!?」」


「一瞬だったし! ……違うかもしれな、いけど、でも、目、合っちゃったし」


ポロポロと泣き出す影山さんを岸六田先生がカーテンを閉めてあやす。



私と皇汰は顔を見合わせた。


「お前は顔」

「見てないよ。見てない、けど……体格は確かに学年主任ぐらい在りそうだったな」


隠蔽したいのは、内部の犯行だからか。



……隠蔽できる権力者だからだろうか。


「待って! 学年主任よりリンダの方が権力あるよ!」

リンダに相談ならきっと。
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